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Directed and Produced by
純谷吉松(Itoya Kichimatsu)


■2000年10月のニュース一覧
▼[2000.10.30]止まらない鼓動
▼[2000.10.29]恋愛の時空
▼[2000.10.28]ゴミ箱の中の…
▼[2000.10.27]ナップスターでヤァヤァヤァ
▼[2000.10.25]コンパクトディスクを撃て
▼[2000.10.24]不安と安心
▼[2000.10.22]別れる2人の事由こそあれ
▼[2000.10.21]クズへの対処
▼[2000.10.20]空想力の押し入れ
▼[2000.10.19]非情と淵源のプライスカット
▼[2000.10.18]外れた車輪/(x_x)\
▼[2000.10.17]人生に必要な知恵はすべてウィザードリィで学んだ
▼[2000.10.16]ピアトゥピア革命の日まで
▼[2000.10.14]彼処へ,何処へ
▼[2000.10.13]100億のメールと1000億の慟哭と
▼[2000.10.12]ワイヤードという箱船
▼[2000.10.11]チップに乗ってどこまでも
▼[2000.10.09]星空まで自転車
▼[2000.10.08]'祖国'をごみ箱に移してもよろしいですか?
▼[2000.10.07]この窓の向こうに未来がある
▼[2000.10.05]勝負はこれから
▼[2000.10.04]大空を,我が手に
▼[2000.10.03]ブラウザ,重要なもの
▼[2000.10.02]傘と電話機とWashingtonpos.com
▼[2000.10.01]あのときの,マイクロソフト

■2000年11月のニュース一覧
■2000年9月のニュース一覧


 
[2000.10.30]
  止まらない鼓動


 ▼Mac OS X: AS WINDOWS AS YOU WANNA BE(Salon.com)【英語】
  http://salon.com/tech/review/2000/10/25/os_x1/index.html


 遠足の前日の,あの夜のドキドキ。新しい家に引っ越してきて,新しい生活が待っているときのドキドキ。止まらない鼓動が,新しいなにかを運んでくる。

 ノン・ギーク(コンピュータマニアでない人)からみたマックOS Xの感想。12年も使っていたOSがまったく新しいものに変わってしまうことは,不機嫌にさせられることも多いが,OS Xはそれに勝るシステムの完ぺきさを持っていることに気付く。下部のドックは,すべてにワンクリックでアクセスでき,未読メールの数まで知らせてくれる。白髪交じりの伝統主義者である私でさえも,4日ののちに,新しいデスクトップの方を好きになってしまった。

 と,いうことで,やっとOS Xが届いたので使っている(スクリーンショット)。あれができないこれができない,とか,このときの表示が文字化けするとか,まぁそんなのは,どうせみなさんアップルにフィードバックしていることだろうから,正式版では直るだろう。使ってはじめに感じることは,マックOSの名前がついているのに違和感があるほど100%別ものであるということ。わかっていたつもりでも,戸惑いは拭えない。知らないうちにクラシック・マックから受けている先入観と,それを受け入れてくれないOS Xにいらだちをおぼえる。だが,ちょっと使い込んでいくうちに,この新しい日常が,自然と身体に馴染んでくることに気付く。それはとても,不思議な感覚だった。

 にしても,いちばん自分でびっくりしたのは,インストール作業をしている時のドキドキ感だった。なにをそんなに興奮しているのかもわからず,鼓動が抑えられなかった。見知らぬ世界へと飛び込む緊張感なのか? OS8やOS9のインストールにはそんなものはなかった。実際に触りはじめてもおんなじ。今までのマックOSを心の中で捨てられれば,まるで子供のように遊ぶこともできる。そして大人のように理路整然とシステムを学ぶこともできる。そしてすっかり,OS Xの日常が,普通になってくる。止まらない,鼓動の中で。




 
[2000.10.29]
  恋愛の時空


 ▼『アミーガ』ファン待望のニューマシン(WIRED NEWS)
  http://www.hotwired.co.jp/news/news/technology/story/20001027303.html


 「桜が散るころに/偶然会いましょう/見馴れない服を着て/他人の顔して/もう一度はじまる/いつだって戻れる/長い時間をかけた/最高の恋…」。

 アミーガ社は,古いアミーガ・コンピューター用のアップグレード・カード「アミーガワンPPC 1200」と「アミーガワンPPC 4000」と,7年ぶりの新しいマシン「アミーガワン」を発表した。それぞれ,パワーPC G3とG4プロセッサーを使う。アミーガワンに乗る「アミーガDE」と呼ばれるOSは,パワーPCやインテル製チップなど10種類以上のチップで動作し,古いアミーガソフトを動かすエミュレーション機能を持つ。

 アミーガワンのウェブページにある「The Amiga is back」という文字が,すべて。CD+DVDドライブのサポートとか,USBとFirewireがメインプラグだとか,100MbpsイーサーとPCIスロットがあるなど,一般的な広い間口を持ったzico(ジーコ)仕様は,記事にあるゾロスロットがない不便を補う,おおむねいい方向のものと思う。もともとモトローラ68kを使った最大限に効率的なチップセットに固執し,そのまま息絶え絶えとなったアミーガだから,汎用性のあるアミーガOSと,標準を多く取り入れたハードウェアは,未来へなくてはならないものだ。

 に,しても,アミーガがまだ一流であったときと比べて,時は流れ去った。インターネットもMPEGもDVDもDVもなにもなかったときのアミーガ。そして今,まったく他人の顔として,違う服を着て再び出会うアミーガ。不確かな約束のなかで過ぎ去った時間,そして,もう一度出会う運命。大切なのは過去ではなく,これからでしか,ない。それが,アミーガという名の,「恋愛の時空」。




 
[2000.10.28]
  ゴミ箱の中の…


 ▼マイクロソフト本社にハッカー侵入 ウィンドウズ設計図盗難か?(CNN.co.jp)
  http://www.cnn.co.jp/2000/TECH/10/27/microsoft.hacker/index.html


 ウインドウズのTIPSを検索エンジンで調べていたら,ふと妙なページにたどり着いた。ちょっとした暗号とともに,ディレクトリ構造図が書かれている。なんのことかと思ってディレクトリを掘り進んでいく。そこにある1個のファイル…,開いてみると…「CompanyName  マイクロソフト社の社内ネットワークにハッカーが侵入し,開発中のウインドウズやオフィスのプログラムに,最長60日にわたりアクセスされていることがわかった。社内へのアクセスパスワードは,ロシア・サンクトペテルブルグに送られていた。プログラム自体は無傷だったが,コードが盗まれたという報道もある。

 このクラッキングに使われたのは「QAZ.TROJAN」というトロイ。3ヶ月ほど前から大量に出回っているもので,今となってはクラッカーにとって一般的なツールとなっている。よもやMSのシステムに仕掛ける奴がいるとは,恐れを知らない奴。MSは,クラッキングの対象として攻撃を仕掛けられる数は計り知れないほど,未遂のクラッキングはとてつもない数にのぼる。なのに,QAZなんて一般的なツールにやられるとは,ねぇ。

 それにしても,次期ウインドウズ(ウィスラーだろうなぁ)が手に入ったら,なにをするだろう。それをたてに世界一早くXボックスを手に入れる? MSの悪口を云うのが商売になっているラリー・エリソンに売りつける?(ZDNet Newsの記事) それとも,誰かがいつか掘り起こすワイヤードのゴミ箱に放り込んでおくか…。今回はクラックした犯人が捕まるのは時間の問題の気がするが,その前になにか動いて欲しいものだ。私たちもゴミ箱の中にゴミしかないとは思わないほうがいい(ウインドウズ=ゴミという話は今回は置いといて:-D)。




 
[2000.10.27]
  ナップスターでヤァヤァヤァ


 ▼『Napster』にMac版が登場(CNET Japan)
  http://japan.cnet.com/News/2000/Item/001026-6.html


 ナップスター・マックがやってきた,ヤァヤァヤァ。100万のMP3ファイルは,マックユーザーでさらに膨れ上がるか。そして,ナップスターのなくなった世界も考えながら。

 ナップスター社は,ファイル交換ソフトのナップスターのマック版をリリースした。マック版にはPC版にはない,iMacカラーに合わせたツールバーや,検索した過去10件の履歴機能がある。このマック版は,あるプログラマー集団が開発したナップスタークローンのマックスターを正式なプログラムとしたもの。

 さっそくダウンロードしてインストールしようとしたときに,なんだブラックホールメディアのマックスターじゃないか,とアイコンで気付く。ナップスター1.0b1は,3人の優秀なマックプログラマーがつくったマックスターPR5に若干の修正を加えたものだ。とりあえず,マックスター君とナップスター君の違い。ナップスター君の方がやっぱり悪そうだ(^_^)。

 ナップスターのファイル共有プロトコルを,デビッド・ウィークリーというスタンフォード大学の学生がリバースエンジニアリングし,公開したのは今年の1月だった。ナップスター社は使用許諾に反するとして抗議していたが,そのコードによって,ナップスターを勝手にオープンソースとして,他プラットフォームへの移植などを行うオープンナップ・プロジェクトが進行した。ビーOSやグノーム,JAVA,KDEなどのクライアントが続々と開発されており,今回ナップスターマック版となったマックスターも,もともとはそのひとつだった。そう考えると,アップルもホットニュースで取り上げるほどのこのソフトウェアは,なにかを明示しているようだ。そう,ナップスター社は反対しているが,このプロジェクトの動きがもっと高まれば,ナップスターがなくなっても,ナップスターはなくならない。これこそが,ネットワークの破壊力だ。マックに,すべてのプラットフォームに,突き進め,ナップスター!




 
[2000.10.25]
  コンパクトディスクを撃て


 ▼Napsterに理解を示すMP3の“父”(ZDNet News)
  http://www.zdnet.co.jp/news/0010/24/mp3.html


 西部の街角,にぎわう酒場の壁には,「ピアニストを撃たないでください」の貼り紙があった。バーテンダーの代わりはいるが,ピアニストの代わりはなかなか見当たらない。荒くれどもは大事なお得意様だが,店は抗争の末の銃撃戦の舞台にもなりえる。そして,音楽のなくなった店に酒を飲みに来るやつはいない。だからお願いです,ピアニストは,撃たないでください。

 MP3の創案者であるカール・ブランデンブルグ氏らに,ドイツ未来賞が授与され,授賞式が行われた。氏らは,「コンピュータとジュークボックスしか持たない子供たちが,音楽か,なにもなしかの選択を迫られている。こんな状況で,どちらを選ぶだろう?」「インターネット上の楽曲は,著作権保護機能を装備できる。音楽業界が行動に移っていないだけだ」と語った。

 …だが,ピアニストがいなくなると,途端になにも音楽がなくなってしまうのは困りものだ。だから,ジュークボックスを置こう。ジェームス・ディーンに憧れる若者たちの歓声と,いつも流れているご機嫌なロックンロール,そして派手なネオンサインがあれば,いつでもそこは世界一の空間だ。踊り,歌い,夜が更けていく。

 そして私たちは,レコードに針を下ろす快感に酔いしれた。ウォークマンのスイッチを入れて,自転車で夜の街に駆け出した。音楽は,いつも変化していく。今私たちは,もっと手軽な音楽を欲している。いくらでも好きなだけポップスを放り込んでおける装置,音飛びもテープのゆるみもない手の上のオーケストラ,愛するあの人のもとにIPに乗せて届けるブルース。そこに,MP3があった。コンパクトディスクを撃て。そして,我が手にMP3を。




 
[2000.10.24]
  不安と安心


 ▼THIS JUST IN: Notes from Apple Communication Meeting(Go2Mac)【英語】
  http://www.go2mac.com/displaynews.cfm?newsid=7476


 基本的なスタンスとして,私はこの件に関しては楽天的だ。非常に高い現金保有率を保ち,なにも赤字になったわけでもない決算報告を続けている,のだ。以前同様の意見(過去記事)であり,嘆く必要も,哀れむ必要性も感じていない。の,だが,やっぱり世間は大いなる不安を汲むことをやめない。

 アップル社は,ウェブキャストも含めた社員の多くを参加させたコミュニケーション・ミーティングを開いた。大きな株価の下落を受け,教育市場,G4キューブの売上不振を原因とし,低価格G4キューブの発売,パワーPCのクロック速度が低い,いわゆるメガヘルツ・ギャップの解消,などが,CEOのスティーブ・ジョブズから話された。

 日本では18日の早朝に行われた,アップルの第4財務四半期の業績報告(ZDIIの記事)。私も早起きして聞いていたが,結果としては惨憺たるもの。もちろんどこのメーカーも大喜びするような報告はしていないのだが,警告を発して下げられた予想よりもさらに低い業績報告は,目を覆うものだった。本来であれば事前にアナウンスがあってもおかしくない,ジョブズの突然の登場にも驚かされた。しかし,それはこれが危機的な状況であることの証明,ともとれるものだった。

 そして,拍手も喝采も浴びることがない場所でのいくつかの発表。低価格キューブも,G4のスピード・アップ,また来年上半期に製品ラインを確立するという約束(私には今後の基盤となるプロ向けノートと,PDAのリリースに聞こえた)も,静かに話された。だが,ここでジョブズが出てきたことで,株価は最低のラインで持ちこたえた(StockMaster.com)。そう,どん底だった90年代中盤と違うのは,彼がいることだ。それが,なによりもの安心感として,ある。(ということで,私事ですが,米国アップル株購入(^_^ゞ)




 
[2000.10.22]
  別れる2人の事由こそあれ


 ▼分裂の不安を助長? Sambaのコード分岐発表(ZDNet News)
  http://www.zdnet.co.jp/news/0010/17/samba.html


 「一緒に食事をしていて,彼が手前から奥へとカレーライスをすくっていくの。最後に皿の奥のところに残っているカレーライスが,なんか嫌で別れた。大人はそんなことで別れたりしないって云うけど,あたしは嫌だった。嫌なことに理由はないし,ね」。

 サンバは,ウインドウズ2000の新しい機能をサポートする「サンバTNG」陣営と,ウインドウズのアドオン技術に背を向ける陣営とのコードをわけて,競争を促す戦略を採る。リナックスコミュニティでは,これを子供じみた身勝手な行為と非難する声や,品質の向上に役立つクールなやり方という意見もある。

 サンバは,クライアントにはウインドウズがはびこっているが,俺が管理するサーバーにNTなんか使いたかないわいというとき,ユニックスやリナックスをウインドウズ互換のファイルサーバーや,プリントサーバーにできるソフトだ(かなり語弊がありますが(^_^;)。新しい開発は反TNGの陣営に先行させ,既存のバージョンにTNGのコードを組み込んでいく,という形をとり,微妙に双方の間に立っているような感じ。だが,「WINDOWS FREE ZONE(ウインドウズ立入禁止!)」と自分の机を囲っているサンバソース書き屋には,どうにも我慢ならない事態かもしれない。

 認めるものと認めざるもの。受け入れるものと受け入れざるもの。そんな争う2人の間に割って入るのは難しいもの。愛し合うものとて,同じ思想を持ち合うものとて,たった1点の違いで,顔も見たくなくなるときがある。わかりあい,許しあってきたのに,他人からみたらそんな些細なことで…と思う引き金もある(MSの過ちを許すかどうかは些細ぢゃないけどね)。相手のことを認めるのは大人の考えだが,大人の考えに染まるほど世界はつまらなくなるものだ。ソースの分裂は,とてつもない面倒を引き起こすのはわかっているが,いいぢゃないか,大人しいソースなんて,つまらないもの。




 
[2000.10.21]
  クズへの対処


 ▼匿名でサーフィンできるウェブブラウザー(CNET Japan)
  http://japan.cnet.com/News/2000/Item/001019-8.html


 おおむね,情報を持っていこうとしている奴は,哲学も意志もない,金のことしか考えてないクズたちだ。ちょっとでも個人情報を入力させようとしたり,人を集めるのはマーケティングの材料を得るため,と思ってサイトを作っている奴たちは,だいたいこの世界の礼儀を知らない,知ろうともしない,クズ。相手にする必要など,かけらもない。

 セーフウェブ社は,ウェブサーファーからの「データの流出」を暗号化する「IPマスキング」技術を提供し,利用者は雇用者,オンライン・マーケティング企業,ウェブサイト,政府などの情報追跡機能から逃れられる。フォームから送信したデータは守られないが,他の情報の追跡はあきらめざろう得ない。

 ということでとりあえず自分でセーフウェブを利用して情報の漏れを確認してみる。アクセス解析の結果を見ると,アドレスやホストの漏れはなかった。リファも抑えられてる。ENVチェッカーやプロクシチェッカーなどにアクセスしてみるが,アクセス自体が阻止される。「Bad Request」のエラー。まぁ私のところはプロバイダのプロクシがあり,利用者個々の状況で違う可能性もあるが,とりあえず使用方法が簡単なので,使えそう。ありがたいサービスです。利用させていただきますわぃ。

 公開プロクシなんて面倒なんで使わないし,クッキーも気付いたときに捨てるだけなので,私もあんまりほめられたもんぢゃないが,気付かないところでマーケティングの材料にされるなど嫌なことこの上ない。もちろんなにを悪いことしてるわけでなし,リアルの私に結びつけられることもないのだが,その情報が金儲けに使われていると思うと虫酸が走る。金のことしか考えずにこの世界を利用としているやつにつきあう気はないからね。セーフウェブは有用です。




 
[2000.10.20]
  空想力の押し入れ


 ▼Romanian scientist plans 10T-byte optical disc(IDG.net)【英語】
  http://www.idg.net/ic_270152_1794_9-10000.html


 空想力の押し入れがあるとしたら,容量はどれくらい必要だろう。100万匹のチェシャ猫も入れなきゃいけないし,サン・テグジュペリの飛行機も入れときたい,ムーミン谷に吹く風も,ネバーランドまで行ける船も。

 10テラバイトの容量を持つ「ハイパーCD-ROM」のドライブが,1年以内に発売可能だと,ルーマニアのオーゲン・パベル博士が発表している。これは蛍光発光消磁制御技術によって,10ミリの厚さのガラスで作られたディスク上の,10,000以上のレイヤーにデータを記録する。ディスクはガラスが破損しないかぎり,少なくとも5000年もデータを保存することができる。

 かなりトンデモ系であやしげなのだが,まぁ夢のような話で面白い。パベル博士が解説しているウェブページに詳細があり,そこには100テラバイトまで拡張可能とあったりして,ますますあやしい。実際目の前にあったらなにに使うかなと考えてしまうが,DVDのディスクイメージが何枚入るだろうかとか,1日中,テレビをキャプチャーしてても大丈夫だろうかとか,さっぱり10テラバイト(1万ギガバイト)なんて使う方法がわからな〜い。

 よくよく考えれば,リアルなものなんて(ワイヤードにとってはファイルはいちばんリアルなものだ)たいした容量を持っているものなんてない。あなたが今までみた中で,もっとも大きい容量を持っていたのはなんGBだった? そして思う。想像力を入れとける押し入れがあったら,どれくらいの広さが必要だろうか。想像力には重さがない,サイズも小さい,でも,無限だ。この無限さは,DVD-RAMには入りきらない。




 
[2000.10.19]
  非情と淵源のプライスカット


 ▼新チップ登場でAMDがインテルをさらにリード(CNET Japan)
  http://www.zdnet.co.jp/macwire/0010/17/n_qt5bo.html


 インテルが10月下旬に予定しているプライスカットによるペンティアム3 1GHzの価格は480ドル(現行は669ドル),来年初頭に予定しているその次のプライスカットでも415ドルという噂がある。すでに350ドルとなったAMDアスロンとの差は,限りなく遠い。

 AMD社は17日,地球上で最速のプロセッサーを持っていると主張できるの1.2GHzのアスロンプロセッサーと,800MHzのデュロンプロセッサーを発売した。また価格も見直し,1.2GHzアスロンは612ドル,1.1GHzは460ドル,1GHzは350ドル,800MHzデュロンは172ドルだ。AMDは新しいチップアーキテクチャーに移行し,クロックスピード向上に余裕が生まれ,インテルより優位に立っている。

 判官びいきでAMDを応援してきた人たちも,あれっ,ちょっと違ってしまっていると実感できる秋の空,という感じですかね(^_^;)。とは云っても,AMDとてハイテク関連企業全体を襲っている株価下落「ドット・バンプ」(過去記事)の被害者となっている。7月に47.5ドルあった株価が今日は17.88ドル,さらに下がりそうな値動き(StockMaser)。俺がなんか悪いことしたかよ,というサンダース会長の声が聞こえてくるようだ(^_^;)。今は第3四半期決算の報告が毎日のように報告されているが,いい業績報告をしても株価は戻らない。ヤフーもそう(ZDIIの記事StockMaser)。判官びいきの人は今度はこっちを応援することになるインテルは,なんとか持ちこたえた決算となったが(CNET Japanの記事),株価はなったく反応せず(StockMaser)。19日早朝に決算報告を行なうアップルは,如何に?(StockMaser

 製品価格を低くする理由は2つある。ひとつは競争相手を叩くためだけの値下げ(MSのIEが最適な例)。もうひとつは製品サイクルが順調にまわり,計算よりもうまく業績に結びつく算段となったときの値下げだ。AMDのビッグバン的な価格設定は,かなり後者の印象が強く,自動的に前者も兼ねる。インテルとの価格差は,両社が争い始めてから最大のものとなった。はっきりとした差として,価格は非情だ。




 
[2000.10.18]
  外れた車輪/(x_x)\


 ▼QuickTime 5日本語版公開プレビュー版,本日より公開開始(MacWIRE ONLINE)
  http://www.zdnet.co.jp/macwire/0010/17/n_qt5bo.html


 自転車はサビは落ちたけど,それだけだった。こんなんぢゃ,流れ星まで追いつかない。外れた車輪は,次世代を呼びこめない。

 アップル社は17日,クイックタイム5日本語版のプレビュー版の公開を開始した。容易にプラグイン,コーデックを追加できる新しいコンポーネント・ダウンローダーなどの数多くの機能が搭載されている。ウインドウズ版は今年年末までに提供予定。正式版は2001年初めの公開を予定している。

 実は,英語版が公開された11日にすでに英語版をインストール済み・で・し・た(^_^;)。私は基本的にはクイックタイム(QT)の開発チームは総じていつも良い仕事をしていると思っているが,QT5に関してはいまいち,だった。インターフェイスの改良(中途半端だけど),スキン機能(まだスキンを作成できない。1個でも別スキンを用意すれば評価できるのに),マックOS X上でのマルチタスク処理の向上(Xが手元にないのでなんともいえない),ストリーミング補正の向上(これって現実的に4と比較しようがないので良くなったのかどうかわからん),新しいDVとソレンソン圧縮のサポート(DVやっている人には良い,私はやってないけど),強化されたクイックタイムVR(前時代的な装置だ,削除してもよい)など,箇条書きにする機能は多い。目に見えない性能アップがあるのは確かだが,ニュースサイトでQT5を高く評価した記事がないように,はっきり云ってしまえば,とりあげるほどぢゃないものにおさまっている。ジョブズが出てこなかった理由がよくわかる。

 それ以前に,今年の夏にはリリースされるはずだったものが,秋にずれ込んでプレビュー版とはあまりにもお粗末だ。最終的にマックOS Xと同期させたいのもわかるが,QT5をプレビューする意味は,かけらもない。そして最大の欠点は,過去記事で書いたMPEG機能への対応がなされていないこと。依然としてMPEG1の再生だけとなっている。しかも,確認していないが,MPEG2は次のバージョンアップまで持ち越し,MPEG1のエクスポートも,デベロッパーバージョンにしか組み込まないという話もある。ちょっとへこみました/(x_x)\。正式版での改良があることを期待。




 
[2000.10.17]
  人生に必要な知恵はすべてウィザードリィで学んだ


 ▼名作RPGの初期3部作が低価格になってコンビニに登場!『ウィザードリィ リルガミン サーガ』(geisen NEWS)
  http://geisen.com/pc/gpc00631.htm


 絶滅寸前のパーティ,よしっ,その角を曲がれば上の階に行ける,と思って曲がった瞬間,モンスターとコンタクト。…ガタ,ガタガタガタガタ,と,フロッピーが読み込まれる…。なにが現れるかわからない,静かにフロッピーを読み込むその音の怖さったらもぉ…(^_^)。

 81年にアップル][用ソフトとして発売され,今でもゲーム機でリメイクされ続けているRPG「ウィザードリィ」の初期3部作が低価格で,コンビニで発売される。「ウィザードリィ」は,3DダンジョンRPGの元祖として,後々の作品にさまざまな影響を与えたソフト。

 学校が夏休みのあるとき,私は1週間に120時間ぐらいウィザードリィをやっていた(^_^;)。今となっては,あれだけ時間があったのがうらやましく思い出されたりもするが,地下10階のマップが全部頭の中に入っていたり,すべてアイテムを探し回ったり(達成できなかったけど),わざと回転床の階をさまよったり,盗賊と忍者だけという危険と隣り合わせなパーティーで潜ったり…。私は本当に,ウィザードリィの地下階層に暮らしていた。なにしろ,ウィザードリィは,すべて自由なのだ。名前も自分で決め,善になろうが,悪になろうが,なにを目標としようが,どんなストーリーを歩もうが…。ストーリー重視の傾向が強い現代のゲームとは,あきらかに違うものをベーシックとしている。

 こんなことを云うとなんだかなと思われるのは承知で書くと,生きるということはどういうことか,生きるためにしなければいけないことはなにか,を,私はウィザードリィの中で学んでいたような気がする。自分のことは自分で決めろ,最後には自分の意志しか信じるな,前例のあることなどなにもない,ロストするな(^_^;),人生「石」の中にテレポーテーションされることもある(^_^;),自分の言葉を持て,自分の意志を持て,自分として生きろ。「…今も僕は,ウィザードリィの迷宮を彷徨っている…」。




 
[2000.10.16]
  ピアトゥピア革命の日まで


 ▼Scour Files for Bankruptcy(WIRED NEWS)【英語】
  http://www.wired.com/news/business/0,1367,39444,00.html


 ピアトゥピアソフトウェア企業がそのソフトで金儲けをできないのは,わかっていたことだった。それはブラウザだけを売って利益をあげている企業がないのと同じだ。別の金づるをきちんと探すことが,生き残るための唯一の手段,なのだが…,まだ誰もそれを探し当てていない。ナップスターだって,明日破産してもおかしくない,というのが現状だ。

 ナップスター社と同様のファイル共有サービスを提供しているスカウア社は13日,破産法に基づく会社再建手続きの申請を行なった。同社は米国映画協会と米国レコード協会(RIAA)から著作権侵害で訴訟を起こされており,損害賠償金は,1作品あたり15万ドル,総額2250億ドルに達している。ダン・ロドリゲス社長は,今回の申請で製品とサービスを利用可能にし続けると声明で述べている。

 スカウア社は9月4日に70人の社員のうち52人をレイオフしていた(WIRED NEWSの記事)。著作権侵害で訴えられたことで,投資家たちは尻込みし,新しい資金獲得がまったく滞っていた。そもそも,ナップスター社が追いつめられて和解交渉をしているといいながら,どこかRIAAを嘲ったような,敵対するような態度を崩さないのに対し,スカウア社はまったくその逆,RIAAに対し,へりくだったような態度を示し続けてきた。もちろん敵対することが得策とは云えないが,相手の非に対し,おもねる態度は感心しない。それは確固たる信念のなさと受け取れた。

 だが,ナップスター社でさえ,いったいなにで十分な収入を得ているのか不明だったりする。インテルなども強く興味を示しているピアトゥピアは,いまだビジネスとしては成り立っていない。そしてもしかしたら,これはビジネスとして成り立たないのではないか,とも感じる。だれもネットサーフィンするのに金を払うやつはいないし,メールを受け取ることに金を払うやつもいない。つまりは,そういうことなのだ。となると,ナップスター社だって先は長くない(すでに終末は見えてきているし,過去記事)。この手のソフトウェアの進む道は,ワイヤードの基本ともいうべきオープンソースウェアとしての発展が有望だ。それを一歩先ゆくグヌーテラに,期待は尽きないのだ。そうしてファイル共有が,電子メールと同じように,生活の一部となる。金儲けに左右されない自由を手にしたとき。そうなったときが,ピアトゥピアの本当の革命の日だ。ナップスターとスカウアのいる今は,まだ始まりに過ぎない。




 
[2000.10.14]
  彼処へ,何処へ


 ▼若田さん乗せた「ディスカバリー」打ち上げ成功(CNN.co.jp)
  http://www.cnn.co.jp/2000/TECH/10/11/discovery/index.html


 21世紀になったらすぐにも,宇宙へと旅立てるような缶コーラのキャンペーンもあったが,現実はまだ遠い。でも,24時間送られてくるストリーミングに乗って,宇宙へ行くことができる,いや,彼処(かしこ)へと,何処(いずこ)へでも。

 スペースシャトル「ディスカバリー」が11日,ケネディ宇宙センターから打ち上げられた。スペースシャトルの打ち上げは今回が100回目。今回のフライトでは,建設中で11月に使用される国際宇宙ステーションに,ドッキングポートを接続する作業などを行なう。

 私が利用しているプロバイダーのサービスで,このスペースシャトルのライブ中継がストリーミングで放送されている。なので,さっきからずっと観ている。NASAのコミュニケーションルームの様子や,現在シャトルがどこを飛んでいるかを表しているスクリーン映像,そしてシャトルからの固定カメラの映像(地球を映しているものもある)が,ブロックノイズのなかで映し出される。時折,通信士との音声のやりとりがはいる。「OK,ディスカバリー,航行を継続する…」。

 宇宙への憧憬など,星も見えない,月もビル陰に隠れて見ることのない街に暮らして,忘れていた。だが,それがいきなり足下に落ちていた感じで,クイックタイムプレイヤーを見続けている。宇宙をも飲み込むワイヤードに身を沈めながら,この世界は私を何処まで連れてってくれるのだろうと思い返している。この,ストリーミングデータに遊泳しながら。(スクリーンショット,12345678




 
[2000.10.13]
  100億のメールと1000億の慟哭と


 ▼電子メール利用、2005年には全世界で1日平均350億通に―米国調査(Impress INTERNET Watch)
  http://www.watch.impress.co.jp/internet/www/article/2000/1012/idc.htm


 メールの数は重要ではない。だが,メールに乗せられた想いは大切だ。そこには,1000億の歓笑と1000億の慟哭が渦巻く。手の平を伝わるそれが,地球よりも重いことを感じながら。

 米国の調査会社IDC社の電子メールの利用実態と今後の予測に関する調査報告によると,2000年に全世界で送受信されているメールの数は1日平均100億通に達するが,2005年には350億通に増加する。豪雨のような電子メールへアクセス,転送,保存,走査を効率的に行なうには,今後の発展を理解する必要がある。

 地球人口が50億とか60億というから,現時点で,すべての人が1日1通出して1通受けて,という感じだろうか。本格的に運用されてからわずかな時しかたっていないのに,地球という惑星を飲み込もうとしている世界が,私たちの手を伸ばしたそこにある。モデムのけたたましい音の鳴り響く世界,350億の想いと繋がりがひしめく場所は,意味深いものだ。

 100億の想いが,目の前のワイヤーを駆け抜けていく。100Mbpsのスピードで駆け巡る想い,それが私が手に持ったワイヤーを伝わっていく。それはとても不思議な感覚。リアルでは,感情は,見えない。いや,もちろんワイヤーの中の想いを見ることはできないのだが,重さは感じられる。そして,生きていることの意味を知る。この重さこそが,世界なんだ,と。




 
[2000.10.12]
  ワイヤードという箱船


 ▼クローニング技術は希少動物を救うか(WIRED NEWS)
  http://www.hotwired.co.jp/news/news/technology/story/20001011305.html


 神は告げた。「すべての肉なるものを終わらせるときが来た。わたしは,地上に洪水をもたらし,すべての肉なる者を滅ぼす。お前は箱船を用意し,家族とともに入りなさい。またすべての命あるものをひとつがいずつ連れて入り,お前とともに生き延びるようにしなさい」。神よ,私の箱船を,お守りください。

 アドバンスト・セル・テクノロジー社の技術によって,希少動物のガウルを,他種の雌牛から出産させようとしている。これは他種牛の卵から核を取り除き,そこにガウルの皮膚細胞を融合させたもの。胎児の細胞の染色体は立派なガウルのものであることが確認されている。同社では,この技術を使い,医療目的での人間の細胞組み換えを目標としている。

 ここでは生物クローンに関する話はしない。ただ,もうひとりの自分のいる場所としてのワイヤード,と,話はクロスする。いつの日か人は,迫り来る滅亡を,どのように迎えるのか? もし逃げ出す術があるとしたら,それはどこなのか? 頑強に作られたシェルターの中か,遠い宇宙の果てか,はたまた? そう,すでにひとつの世界として成り立っている,そしてより私たちがメタファライズしていくワイヤードは,人間の逃げ場所に足る。もっとも近い,手を伸ばせばすぐにある,救いの場所。

 肉体になんの意味があるというのか? きらめきを放つ思考と感情と,そしてリアルよりも劣るかもしれないが,実体を認められる境界を電子でつくって,それ以外になにが必要? 肉を捨てることに,人間としての損失はない。「ここが,僕のノアの箱船になる。最後に箱船が乗り上げるアララトの山として,僕は今,このサイトを積み重ねていく」。




 
[2000.10.11]
  チップに乗ってどこまでも


 ▼調査レポート:チップ業界は2002年まで力強い成長(CNET Japan)
  http://japan.cnet.com/News/2000/Item/001010-6.html


 すべてのものがワイヤードにコネクトしている世界。IPに乗った僕の言葉が,すべてのものに伝わる。僕のサインを書き始めるのも,シャッターをきるのも,君の涙をぬぐうのも。

 調査会社のデータクエスト社が発表予定のレポートによると,チップ業界は2002年まで成長が持続するとしている。特に,携帯電話,デジタルカメラ,MP3プレーヤー用のフラッシュメモリの市場が広がる。

 PC自体の販売の伸び悩みで,アップル社はじめ各社の株価などが影響を受けている(過去記事)。チップメーカーの代表たるインテル社も失墜。だがインテルの場合は全体的な動きというよりは,インテル自体が抱えている問題のほうが大きい。インテルは同社の顔として活躍してきたアルバート・ユウGMの更迭が噂されている。ペンティアム4も十分な満足感を与えられず(過去記事),ティムナチップセットの計画破棄(CNET Japanの記事)など,いいところがまったくない。AMD社の堅調さと,クルーソーを突きつけるトランスメタ社との間で,もがき苦しんでいる。

 確かにPCの伸び悩みでチップメーカーは一番のお得意を失っているが,時代は代わりをいくつも用意している。記事にある携帯電話はその最たるものだし,セットトップボックスなどインターネットデバイスは,とどまらない。腕時計にだって,ボールペンにだって,使い捨てカメラにだって,ハンカチーフにだって,チップは必要となる。そう,すべてがワイヤードと接する必要が出てくるその日がくる。そして人間の肉体にも,チップは内蔵されていく。世界は,チップで動く。チップを内蔵した気球が,空高く舞い上がる。どこよりもどこよりも高く,遠く,遠くまで。




 
[2000.10.09]
  星空まで自転車


 ▼Mac OS X PB特集:インプレッションレビューQuickTime編(MacWIRE ONLINE)
  http://www.zdnet.co.jp/macwire/0010/07/r_impqt.html


 コズミックサイクリング,星空フィーリング。シリウスまで,アンタレスまで,この自転車に乗って。

 マックOS Xに付属しているクイックタイムプレイヤーは,思っていたよりも完成に近づいていたが,未実装の部分も多々ある。良くなった点としては,描画しながらや裏に回しても再生がスムーズ,ムービー圧縮しながら他のアプリが動かせる,など。悪くなった点は,重さやMPEG-1の再生サポートが実装されていないこと。

 記事の最後の部分にあるのだが,9日から12日にクイックタイムLive!という開発者をメインとしたイベントがあり,そこで,QuickTimeのネクスト・ジェネレーションとも云っていいクイックタイム(QT)5の発表と,リアルタイムDV編集と改良されたDVDオーサリングを提供するファイナル・カット・プロ2の発表が噂されている。たぶん製品版マックOS Xでは,そのQT5が乗るだろうから,マックOS Xのパブリックプレビューはちょっとタイミングがずれてしまった感じ。んで,なぜQT5が,QTのネクスト・ジェネレーションたるかというと,MPEG1とMPEG2の編集と再生を完全にサポートし(現在はMPEG1の再生のみ),ついでにG4のアルティベックに対応する。クイックタイムは,MPEG4の基礎部分としてISOに採用されており,QT5を皮切りにMPEGをフルサポートするメディアとして爆走しだす。

 クイックタイムプレーヤーは30ドルでプロ版となり,簡単な編集や書き出しができるようになる。で,これが非常に楽しい。iMovieでも云われたことだが,重たいメディアを扱っているはずなのに,切ったり貼ったり切り刻んだりなにやりかにやりが直感的にできてしまう。その楽しさはなにものにもかえがたい。例えれば,夜空を走る自転車。簡単に手軽に,そしてやろうと思えばどんな遠くまでも走り続けることができる。ウインドウズのメディアプレイヤーのナナハンのような派手な見た目はないのに,機能は勝る。新しいギアを手に入れるこの自転車に乗って,どこまで行こう。




 
[2000.10.08]
  '祖国'をごみ箱に移してもよろしいですか?


 ▼携帯電話のための「.1」ドメイン(ZDNet News)
  http://www.zdnet.co.jp/news/0010/04/domain.html


 すべての人間が集い,すべての人間が意志を伝えあう,そんな場所に必要な言語とは…? ひとつ確かなのは,祖国の言葉など,そして祖国自体,うち捨てるべきである,ということ。

 ドメインやIPアドレスなどを管理する インターネット・コーポレーション・フォー・アサインド・ネームズ・アンド・ナンバーズ(ICANN)は2日,新しいトップレベルドメイン案の申請受け付けを終了した。携帯電話やPDA向けに数字だけにした「.1」や,子供向けの「.kids」などが申請された。だがこの申請は大変な作業だ。125ページにもわたる計画説明書と返済されない5万ドルとともに,ICANNに受け付けられる。

 今週はドメイン絡みのニュースがかしましい週だった。国内では,JPドメインを管理している日本ネットワークインフォメーションセンター(JPNIC)が,11月に予定していた汎用JPドメイン(www.xxx.jpというやつ)の受け付けを急遽延期(Nikkei BizTech News!の記事)。co.jpを企業以外に絶対認めず,しかも1企業1ドメインという厳格な姿勢を崩さずにきたJPNICだが,汎用JPドメインは,いざこざを呼びそうなのは目に見えているから大変そうだ(他人事)。また,「ソニー.com」のように,他言語+「.com .net .org」が受け付け開始になるという記事もあった(Impress INTERNET Watchの記事)。記事のトップレベルドメインの受け付けには,日本のKDDI社も参加(日経コミュニケーションの記事,そんなことよりもっとやること多いだろというツッコミはまぁ置いといて)。それを受け付けているICANNでは,オンライン理事選挙が行われているが,お前ら大丈夫か?というほどの技術的な体たらくぶりをみせつけて大ひんしゅく。(WIRED NEWSの記事,まっ,この団体はいつもそう,という話だが)。あとは,ポキモーンドメインの問題なんかもあったりした(gaisen newsの記事)。2日に取り上げたタイプミスドメインで金もうけしている連中は(過去記事)には,FBIが捜査の手を入れたというのも(ZDNet Newsの記事)。

 取り上げるのもバカバカシイノダガ,日本語ドメインについて。「インターネットは言語の壁がないくせになんで日本語のドメインはないんだ」とか「会社名が日本語なのになんでドメインは英語ぢゃなきゃいけないんだ」とか云ってるバカには死んでもらったほうがいい。そういう人間に限って海外の会社の入力フォームに日本語で打ち込んで送ったりする。また,ならお前は中国語のドメインやハングルのドメインがあったら,てめえのキーボードで打てるのかと聞いてあげたい。中国語やハングルの入力法を勉強したいというなら止めないけど。ましてや1バイト圏の人間をや:-D(ほとんどの英米国人は同じ1バイトのÉやâも打ったことないのに,日本語打て,おらっ,とかほざきますか?)。別にエスペラント語を作ろうとかわけのわからない話ではなく,ウェブ上での言語はひとつに集約していっていいと思っている。距離の壁がなく,シームレスに意志のやり取りをするのに,国単位の言語はもとより,法律にしても,習慣にしても,時間にしても,邪魔が多すぎる。ワイヤードで暮らすのなら,日本語など,なくなっていい。そして,国家というものの存在意義自体,疑っていい。




 
[2000.10.07]
  この窓の向こうに未来がある


 ▼『ネットスケープ6』のファイナル・プレビューリリース(WIRED NEWS)
  http://www.hotwired.co.jp/news/news/business/story/20001006102.html


 どうしても必要ななにかがあるわけぢゃない。とびっきりクールな新機能があるわけでもない。ぢゃあ,なんでまた,ftp.netscape.comへアクセスしているの?

 ネットスケープ社は開発中のブラウザ「ネットスケープ6」の最後のベータ版となるプレビューリリース3を公開した。インターフェイスが手直しされ,印刷機能の強化,などがなされている。ネットスケープ6は,よりコアユーザー向きの製品に仕上がっている。

 今,マック版のPR3を使っている。日本語版はまだ出ていないと云われているが,カスタムインストールでジャパニーズランゲージキット(Japanese(JP) Language Pack)を選択,起動後,言語設定(Set Language/Region)で日本(Japanese(JP))を選択すると,メニュー表示も日本語になる。私のところでは,ブックマークの文字化けもなく,軽快に動いている(不安定な部分はJavaScript。なので切ってある)。今回のアップデートでは,大きな機能の追加より,見た目と安定性を重点に行われたそうで,それは目に見えてわかる。もう4.7系から乗り換えてもなんの問題ない,と思う。

 たいしたことぢゃないといわれるネットスケープ6のアップデートを(ZDNet Newsの記事)また取り上げているなぁと今思いながら(PR1の過去記事PR2の過去記事),なんで毎回取り上げているんだ? と自問自答してみる。あの時,ネットスケープのアップデートはひとつひとつが大きなトピックだった。小さな機能追加でも構わない,たんなるバグ修正だって構わない。ネットスケープは利用者の考えよりもはるかに速いスピードで,ブラウザをバージョンアップし続けていった。その毎日にドキドキして,新しい窓から見える未来を追いかけ続けた。ネットスケープをアップデートすることが,この場所で楽しく生きるための証明書だった。もちろん,今のネットスケープがあの時のネットスケープと違うことはわかっている。でも,体に染みついたあの楽しさが,今も心をうずかせる。



 
[2000.10.05]
  勝負はこれから


 ▼株価急落のApple,対策を練るJobs氏(ZDNet News)
  http://www.zdnet.co.jp/news/0010/04/apple.html


 スピードバンプの理由はいくつもあった。火をつけたインテル,後を追ったデルやゲートウェイ,MSやヤフーまでその力をとどめることはできなかった。すべての,ドットコムに携わる者たちの慟哭。最後まで抵抗していたアップルも引き金を引いてしまったが,ここからが,勝負であることは,間違いない。

 24時間で株価が半分にも下落したアップル社だが,29日,CEOのスティーブ・ジョブズは,社内ミーティングでレイオフは行なわないこと,ハードウェアエンジニアリング・チーフなどの所要ポストを埋めること,重要度の低いプロジェクトを後退させることを述べた。

 1日で株価が半分になるというアップル社の「スピードバンプ」現象(StockMaster)は,運が悪かったというにはすませられない出来事だった。確かにインテル社の株価暴落(StockMoster)「インテルショック」からどうやらPCメーカーの限界が見えたらしいという雰囲気が漂い,そこにアップル社の業績下方修正は「成功していたPCメーカーのひとつとして」火に油を注いでしまった感じだ。だが,ヤフー社も(StockMoster),マイクロソフト社も(StockMoster),動きは同様。たまたまアップルは持ちこたえていた線が切れてしまったにすぎないことがわかる。米国の景気後退と,ドットコム企業に対する冷めた見方と,それらの事情が重なった暴落と考えるのが適当であり,キューブを悪者扱いにする見方や,アップルが業績を上げていないという見方は間違っている。

 デル社も(StockMoster),ゲートウェイ2000社も(StockMoster)同様。アップルのスピードバンプは,たまたま目立ってしまっただけに過ぎない。厳しい見方(ZDIIの記事)をする向きがあるが,おおむねとってつけた理由に過ぎない。今は強気買いに出ていい段階だ(米国ヤフーニュースの記事)。赤字報告を出したわけでもなし,40億ドルの資産も保有している。まだまだ,勝負は,これからだ。



 
[2000.10.04]
  大空を,我が手に


 ▼政府調査が米連邦航空局のセキュリティー不備を指摘(CNET Japan)
  http://japan.cnet.com/News/2000/Item/000928-5.html


 途絶える航空無線,着陸できず上空を回旋する旅客機,欠航の赤い印へと次々と変わる離発着掲示版…。そしてそれを見上げる人々。一人,愉悦にひたる男…。

 27日に提出された米国政府の報告書によると,米国連邦航空局(FAA)の航空管制システムを含む,非常に重要なコンピュータ・システムは依然として不備が多いとしている。5月の調査ではFAAは契約従業員の素性調査を怠っており,その従業員の一部が航空管制システムの最重要部にアクセスできたと指摘された。

 国家テロだとかなんだとかで思い浮かぶのは,航空管制の制御が奪われるシーンだったりする。緊急通報ネットワークの遮断や,または路上での銃撃戦などいくつでもシーンは想像することができるが,航空管制へのテロはゾクゾクするほどの恍惚感がある。それは,もしかしたら空への自由を奪うという行為だからかもしれないし,大空を自分の手の内に収めることの感悦かもしれない。

 管制を失った飛行機はその存在自体,凶器に変わる。時速600kmや900kmで空を無制御で飛び回る危険性は考えを必要としない。すべては自分の指示次第。責任? 責任なんかより悦楽だ。せっかくFAAが席を空けてくれているのならば,楽しませてもらったほうが,いいぢゃないか。(ああっ,ツッコミないまま終わってしまった(^_^;)



 
[2000.10.03]
  ブラウザ,重要なもの


 ▼Web: Mac OS X用OmniWeb 4b6が公開(Pierre Design)
  http://www.geocities.com/SiliconValley/Grid/1257/0009/000929_omniweb.html


 オムニグループ社の社長がアップルの副社長に問いただした。「なぜスティーブやアップルの社員たちはIEのことばかりで,オムニウェブに一言も触れないのか?」。副社長は「IEは市場のリーダーだからだ」と答える。「市場のリーダーシップで重要度が決められるのなら,私はこのプラットフォームでなにをやっているというのだ!?」。(Kyleのシリコンバレー通信@『SoftwareDesign』20000年7月)

 オムニグループ社のマックOS X用ウェブブラウザー「オムニウェブ4」のベータ6が公開,ダウンロードできる。現在オムニウェブは,主流派のインターネットエクスプローラー以外の唯一の選択肢となっているが,iCab社もカーボン版iCabのプロトタイプがすでに存在,Mozilla.orgのカーボン版モジラである「フィジラ」も暫定版が公開されている。

 OS Xの開発環境の選択肢は2つ。カーボンは,既存のマックOSのソフトウェアを簡単にOS X環境に移植できる(最適化できる)環境。ココアは,オブジェクトCとJAVAによるオブジェクト指向次世代環境。で,当然ココアの方が洗練されるし,魅力的であるのだが,現時点ではカーボン化が多数を占めている。いまさらオブジェクトCで…という声は当然で,アップルはどちらかというとJAVAに重きを置いているのが伺える。で,カーボン化されたIEと,ココア環境のオムニの比較,ということになる。

 実際に試してないので伝聞でしかないが,IEはそこそこかなという話。オムニはIEより断然軽く優れているという人もいれば,IEとそんなに変わらないという人も。これは自分で使ってみるまでわからないが,ひとつだけわかっていることは,IEがデフォルトブラウザであるということだ。マック版オフィスの代償と云われてきたIEのデフォルト化だが,それはまだ続いている。だが,上記のアップルの副社長の言葉が真実でないことは誰もが知っている(上記のやり取りは,5月のアップル世界開発者会議でのシーン)。オムニウェブのコードは,たぶんそれを雄弁に語ってくれると私は信じている。iCabについて一言いえば,驚くほど少ないリソースで十分な性能は驚きに値する。カーボン化されてもたぶんその能力は生きているだろう。重要なのは,市場ではない,コードだ。



 
[2000.10.02]
  傘と電話機とWashingtonpos.com


 ▼「タイプミスドメイン」をめぐる醜聞(ZDNet News)
  http://www.zdnet.co.jp/news/0009/29/typo_m.html


 社長に上申書を出したら,社長の名前を一字間違えててクビになるようなものかな(全然違うって(^_^;)。

 著名なサイトのURLのタイプミスを利用し,ポップアップで広告を表示したり,またはそのウインドウの後ろに捨て広告を掲載したり,本物のサイトに誘導して紹介料を得たりする企業がある。今に始まったことではないが,タイプミス無断利用を事業運営の一部としているある会社は,1日に20万ページビューを獲得しているという。また,ドメイン取得に別の名前の会社を利用するなど狡猾さもなかなかだ。

 ↑とはちっょと違うがタイプミスではこんな騒ぎもあった。ネットワークドック社なるところがウェブサイトの改竄を自動的に関知し,修復するというソフトを開発し,そのソフトの宣伝も兼ねて,このサイトを改竄しろや,したら100万円やるわ,というクラックコンテストを開催した(読売新聞の記事)。だがそのクラックしてみろやというサイトのURL「www.crackcontest.com」を「www.crack-contest.com」と間違えてリリースを出してしまった(読売新聞も間違いの方を掲載している)。結果的にコンテストは成功者なしで終了するのだが,とある人物がまだ取得されていなかった「www.crack-contest.com」のドメインを取得。ページを開設し,改竄,賞金よこさんかいとなった。ネットワークドック社は当然拒否するわけだが,そしたら「www.crack-contest.com」のドメインをヤフーオークションにかけたりして,騒ぎがさらに拡大。まっ,意気がったURLのタイプミスの代償としての100万円なら,バカにつける薬としてはちょうどいいような気もしますがね;-P。

 「窓の外はずっと雨,冷蔵庫にはしなびたトリュフ,目覚ましに浴びたシャワーでやけど,お気に入りの傘はタクシーの中,仕事はキャンセル,君が投げた電話機は壊れたままで,受話器を取ればみんな間違い電話ばかり」。サイトにアクセスすればタイプミスで,ポップアップ広告が次から次と…。ついてない日はこんなもの。明日の天気予報もまた,雨。



 
[2000.10.01]
  あのときの,マイクロソフト


 ▼マイクロソフト創設者のひとりポール・アレン氏、ボードメンバーから退任(ASCII24)
  http://www.ascii24.com/ascii24/news/keyp/article/2000/09/29/618487-000.html


 私にとっては,NFLのシアトル・シーホークスのオーナーかな。オーナー席から試合を見下ろす姿は,いかにも米国の成り上がり億万長者っぽくて風格がある。興味を持ったものには積極的に投資を行なう様も,節操ないとも云うが(^_^;),自信を表している。ゲイツとはまったく違う部分を持っている彼がいたからこそ,の,MSだったのかもしれない。

 マイクロソフト社は28日,同社創立者の一人,ポール・アレンが取締役会から退くことを発表した。今後彼は,CEOのスティーブ・バルマーやビル・ゲイツの個人的なサポートをする形になる。

 有名な話だが,MSの歴史はポール・アレンがビル・ゲイツの学生寮に飛んで入ってきて,パソコン用のBASIC言語を作ろうとけしかけたことに始まる。それが1974年。彼らは懸命になってBASICを移植し…,といっても一筋縄にはいかない。なにしろその,世界最初のパソコンは手元にまだないのだ。アレンはそのパソコンに使われているインテル8080チップのマニュアルを取り寄せ,ミニコンでそのエミュレートを作り上げ,そしてゲイツが8080用にBASICを書き換え,移植させた。そしてアレンがそれを売り込みに行って…………,現在に至る(長い中略だ(^_^))。

 今では,ゲイツとアレンが同じ場所にいるということもとんと少なくなったが,先日のMS25周年のパーティーの場などで見ると,いつも人を小馬鹿にしているように見えるゲイツの視線も,アレンを見るときだけは違く,尊敬の念がこもっているように思える(まっ,偏見でしょうけど;-P),まるで親しむべき兄に向けられるかのように。大きくMSから身を引くアレンに,時代は動いていくんだな,と感じてもいる。あのときのMSの姿を,今感じるものは,もうないのかもしれない。




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